品格とは何か
品格の有無を決めるのは、知識の寡多ではないし、ましてや貴賎でもない。
育ちに左右されることは確かだが、それは必ずしも先天性を意味しない。常に自身を育てる環境は最期まであり続けるからだ。
それを自ら放棄して、進んで蛇蝎のような態度をとることは、自分の資源を溝に捨てるようなものだと思う。
人中路を一刀両断する
柳生新陰流には「人中路」という考え方がある。
どんな相手でも、そしてどんな戦法で挑んできても、相手の頭から体を結んだ中心線=人中を斬り結ぶ一手で対応する。
外見としては一刀両断。しかしそのシンプルさは、迷いを振り払い行動するためという実に精神的なものだと思う。
ちなみに、これは立ち技最強と言われるムエタイの哲学ともとても近い。ムエタイの技、特に防御の数は驚くほど少ない。パンチ攻撃へのディフェンスは前手を突き出す前手差し封じ、キック攻撃への対処は膝を上げてのカット。このシンプルさは、自律的な攻撃を実現するために、自らの優位性・コントロールを獲得維持するというメンタルコントロールに一役かっている。
スポーツの世界のみならずビジネスの世界、そして人生は一見とても複雑に見える。無数の要因が絡み合って現象化する複雑系。
それに対してこちらもいちいち複雑に”反応”していてはキリがないし、きっと幸せではない。
だから、複雑系に対してシンプルな仕組みで対応する。
個人と組織、家族、サークル、場、コミュニティ、社会、世界はきっと対立しない。複雑なそれを理解するためのシンプルな仕組みの構築。
このブログでは、そんなぶれない軸、ウイニングショットを探す方法論を、スポーツやビジネスの隠喩を助けに綴っていこうと思う。